洞爺湖町の富丘(とみおか)地区に、春になると斜面いっぱいに水仙が咲く丘があります。「スイセンの丘」と呼ばれるこの場所は、観光施設ではありません。個人の方が、ご自身の私有地で20年ほどかけて育ててこられた場所です。洞爺湖で一棟貸しの宿11施設を運営する「かものや」が、この丘のことと、訪ねる際に必ず守っていただきたいマナーについてお伝えします。

先にお願いを一つ。「行ってみたい」と思われた方は、本文中のマナーの項目を必ず最後までお読みください。この景色が来年も残るかどうかは、訪れる私たち一人ひとりの振る舞いにかかっています。
個人の方が20年かけて育ててきた丘
スイセンの丘は、約5,000㎡の斜面に黄色と白の水仙が広がる場所です。報道では約15万本から25万本と紹介されたこともあります。一面の水仙、というのは決して誇張ではありません。
けれどこの丘に、券売所も、案内所も、管理事務所もありません。ここは個人の方の私有地で、ひとりの方が20年ほどの歳月をかけて、少しずつ球根を植え、手入れを重ねてこられた結果として、今の景色があります。誰かの丹精が、たまたま道から見えるところにある。私たちはそれを見せていただいている。その距離感を持ったまま訪ねたい場所です。
なお、その年に訪問者を受け入れておられるかどうかは、所有者の方のご意向や年ごとの事情によって異なる可能性があります。かものやとしても「いつでも自由に入れます」とお約束することはできません。お出かけ前に、自治体や観光協会の公式発表など、最新の案内をご確認ください。現地に掲示やお願いがある場合は、何よりもそれに従ってください。
羊蹄山を背にした、この土地ならではの景色

この丘の水仙が特別に見えるのは、花そのものだけでなく、背景に羊蹄山を望むからです。斜面を埋める黄色と白、その向こうに、5月でもまだ雪をまとった羊蹄山がすっと立ち上がります。手前に花、奥に山。同じ水仙でも、都市の花壇で見るのとはまったく違う景色に見えます。晴れた日の朝、光が斜めから入る時間帯は、花の一輪一輪に陰影が出て、丘全体が立体的に見えます。
見頃は例年5月上旬から下旬ごろ

水仙の見頃は例年5月上旬(ゴールデンウィーク明け)から5月下旬ごろです。北海道の春は本州よりひと月ほど遅く、桜が終わるのを追いかけるように水仙の季節がやってきます。その年の気温によって開花は前後し、連休の真っ最中はまだこれから、という年もあれば、連休明けすぐに見頃を迎える年もあります。
この時期の洞爺湖周辺は、花が次々と入れ替わる季節です。隣町の壮瞥町では壮瞥公園の梅林が例年5月中旬ごろに見頃を迎え、伊達市の有珠善光寺では桜が、そのあとにツツジが咲きます。どの花がいつ咲くかは洞爺湖周辺 花の見頃カレンダーに、花をつなぐ1泊2日の動線は春の花めぐりモデルコースにまとめました。春の洞爺湖全般は春の洞爺湖ガイドをご覧ください。
訪ねる前に必ず読んでいただきたいマナー

くり返しになりますが、ここは個人の方が丹精込めて手入れをされている私有地です。観光地ではありません。次のことを必ずお守りください。
- 道道沿いに路上駐車をしない。道幅の広くない道路です。路肩に車が並べば、地域の方の生活道路が塞がれ、農作業の車両も通れなくなります。駐車場所が確保できないときは、車を停めずにそのまま通り過ぎる勇気を持ってください。
- 畑や斜面に立ち入らない。花の中に入って撮った一枚のために、球根が踏まれます。踏まれた場所は、翌年花をつけません。写真は道から撮れます。
- 花を摘まない、球根を掘らない、枝を折らない。「一輪くらい」が数百人分集まれば、丘は丘でなくなります。
- ゴミは必ず持ち帰る。ゴミ箱はありません。飲み物の容器も、包み紙も、すべて持ち帰ってください。
- 近隣の生活に配慮する。周辺には暮らしと農業の営みがあります。大きな声を出さない、早朝や夜間に長時間とどまらない、私道や敷地に入らない。ドローン等の飛行も、周囲への配慮を欠く行為になり得ます。
- 所有者の方に押しかけない。お礼を伝えたい気持ちはよくわかりますが、そっと見せていただき、そっと帰るのがいちばんの敬意です。
- 現地の掲示・お願いが最優先。この記事の内容よりも、現地に示された案内が常に優先されます。
この丘は、誰かが商売のために作った景色ではありません。訪れる人のマナーが悪ければ、来年から見られなくなっても、誰も文句は言えません。そういう場所です。
水仙の季節の拠点に、かものやの宿
かものやの宿はすべてキッチン完備の一棟・一室貸切タイプです。他のお客様と顔を合わせることがないので、朝の光がいちばんきれいな時間に出発して、戻ってからゆっくり朝食、といった旅程が組めます。
- 農村の景色を味わうなら: 洞爺ファーマーズハウス(定員18名・1泊¥25,000〜)。農村地帯に建つ大型の一棟貸しで、暖炉があり、BBQもお楽しみいただけます。方角によっては羊蹄山を望めます。
- 三世代・大人数の春旅に: レイクトーヤBase(定員20名・1泊¥30,000〜)。暖炉と大型スクリーンのある一棟貸し。大人数での滞在は大人数の洞爺湖旅ガイドもどうぞ。
- ふたりで身軽に: かものやレイクトーヤビルディング 1R(定員3名・1泊¥7,000〜)。温泉街中心地のアパートメントタイプで、車での花めぐりの拠点にちょうどよい立地です。
そのほかの施設は施設一覧からご覧いただけます。
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よくある質問
Q. スイセンの丘の見頃はいつですか?
例年5月上旬(ゴールデンウィーク明け)から5月下旬ごろです。その年の気温によって開花は前後します。北海道の春は本州よりひと月ほど遅いため、桜の季節を追いかけるように水仙が咲きます。お出かけ前に最新の開花情報をご確認ください。
Q. 誰でも自由に見に行けますか? 入場料はかかりますか?
スイセンの丘は洞爺湖町富丘地区の道道沿いにある個人の方の私有地で、観光施設ではありません。その年に訪問者を受け入れておられるかどうかは、所有者の方のご意向や年ごとの事情によって異なる可能性がありますので、かものやから「いつでも入れます」とお伝えすることはできません。現地に掲示やお願いがある場合は必ずそれに従い、路上駐車や畑への立ち入り、花を摘む行為は絶対におやめください。
Q. 写真を撮るときに気をつけることはありますか?
斜面や畑に立ち入らず、道から撮ってください。花の中に入って撮った一枚のために球根が踏まれ、その場所は翌年花をつけません。車は路上に停めず、近隣の生活道路を塞がないこと。大きな声を出さないこと。ゴミは必ず持ち帰ること。20年かけてこの景色を育ててこられた方への敬意を、行動で示していただければと思います。