こんにちは。北海道・洞爺湖で一棟貸しの宿を営む「かものや」です。洞爺湖に泊まったら、じつは車で30分ほどの隣町・伊達市までぜひ足をのばしてみてください。伊達市は雪が少なく温暖な気候から「北の湘南」と呼ばれる土地で、世界文化遺産に登録された縄文の貝塚から、仙台藩ゆかりの武家文化まで、洞爺湖観光とはひと味ちがう歴史の奥行きが楽しめます。この記事では、地元で宿を営む私たちの視点で、伊達市の見どころと回り方をご案内します。

「北の湘南」伊達市とは|温暖な気候と武家のまち

伊達市の玄関口・JR伊達紋別駅の駅舎
伊達市の玄関口・JR伊達紋別駅(写真: MaedaAkihiko / CC0 / Wikimedia Commons)

伊達市は、札幌と函館のほぼ中間、内浦湾(噴火湾)に面した海沿いのまちです。北海道のなかでは冬でも雪が少なく、夏も涼しいという過ごしやすい気候で、そのおだやかさから「北の湘南」と呼ばれ、道内外からの移住先としても人気があります。洞爺湖温泉のあるエリアが山あいの雪景色を見せる冬でも、峠を海側へ下りた伊達の市街は驚くほど雪が少ない、ということも珍しくありません。

まちの名前「伊達」は、あの仙台藩・伊達家に由来します。明治のはじめ、戊辰戦争で領地を失った仙台藩の支流・亘理伊達家の当主 伊達邦成が、家臣や職人およそ2,700人を率いてこの地に移り住み、開拓したのが伊達市のはじまりです。市街には白壁に瓦屋根の武家屋敷風の建物が残り、その歴史は後述の「だて歴史の杜」でじっくり体感できます。

北黄金貝塚公園|世界遺産に登録された縄文の貝塚を歩く

世界遺産・北黄金貝塚公園
世界遺産・北黄金貝塚公園(写真: Indiana jo / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

伊達観光でいちばんに訪ねたいのが、史跡 北黄金貝塚公園です。ここは2021年に世界文化遺産へ登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産のひとつ。噴火湾を見下ろす高台に、縄文時代の貝塚と集落のあとが復元・整備され、青空の下を自由に歩ける屋外の遺跡公園になっています。

北黄金貝塚は、縄文文化の定住が発展していくおよそ5,500〜7,000年前(縄文時代前期)の遺跡です。貝塚からはハマグリ・カキ・ホタテなどの貝がらや、マグロ・ヒラメといった魚の骨、さらにオットセイやクジラなど海獣の骨も多く出土しており、この地の縄文人が海の恵みを中心に暮らしていたことがわかります。とりわけこの遺跡が世界的に評価されるのは、貝塚と墓域が一体になった祭祀の場や、木の実をすりつぶす石器が大量に見つかった水場の祭祀遺構など、縄文人の精神文化を色濃く伝える点にあります。丘の上から白い貝殻の層と青い噴火湾を同時に眺める景色は、ここでしか味わえないものです。

園内の北黄金貝塚情報センターでは出土品の展示や解説が見られ、日本語・英語・中国語・韓国語に対応した多言語ガイドアプリ「ポケット学芸員」も利用できます。海外からのお客様と一緒でも楽しめるのがうれしいところです。

屋外を歩く公園のため、雪解け後の春から秋にかけてが訪ねどきです。冬季(12〜3月)は閉鎖されるのでご注意ください。※2026年7月時点。最新は公式サイトでご確認ください。

だて歴史の杜|道の駅とミュージアムで武家文化と縄文にふれる

市街の中心にあるだて歴史の杜(もり)は、緑ゆたかな総合公園に道の駅・だて歴史文化ミュージアム・歴史的建造物がまとまった、伊達観光の拠点です。旧亘理伊達家ゆかりの地で、白壁と瓦屋根の落ち着いたたたずまいが広がります。

だて歴史文化ミュージアム

公園内のだて歴史文化ミュージアムは、伊達の「縄文からアイヌ、そして武家のまちへ」という歴史を1か所でたどれる施設です。見どころは大きく二つ。ひとつは亘理伊達家ゆかりの武具・甲冑で、初代当主 伊達成実が用いたとされる「毛虫の前立」の兜など、移住とともに持ち込まれた家宝が並びます。武具だけでなく、化粧道具や貝合せといった女性の文化も紹介されているのが現代的です。

もうひとつが、重要文化財に指定された有珠モシリ遺跡の出土品です。続縄文時代の有珠モシリ遺跡からは、ベンケイガイやオオツタノハなど本来は北海道にすまない南の貝で作られたアクセサリーが出土しており、はるか南の地域との交流があったことを物語ります。北黄金貝塚とあわせて見れば、この土地の縄文文化の広がりがぐっと立体的に感じられます。

※2026年7月時点。料金・開館時間は変わる場合があるため、最新は公式サイトでご確認ください。

道の駅 だて歴史の杜

道の駅だて歴史の杜
道の駅だて歴史の杜(写真: Him56 / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

同じ敷地の道の駅「だて歴史の杜」には観光物産館があり、伊達近郊の農産物や特産品が手に入ります。伊達は温暖な気候をいかした農業もさかんな土地。ドライブの休憩がてら、宿での自炊用に地元野菜を買い込むのもおすすめです(洞爺湖エリアの食材・自炊の楽しみは「洞爺湖グルメガイド」もどうぞ)。物産館で一定額以上お買い物をするとミュージアムの入館特典が受けられることもあるので、まず道の駅に立ち寄ってから展示を見る回り方が効率的です。

あわせて訪ねたい周辺スポット

伊達市の東どなり、有珠地区には北海道最古級の寺として知られる有珠善光寺があります。春のツツジや桜の名所としても人気で、歴史散策とあわせて訪ねる価値ありです。詳しくは「有珠善光寺 参拝ガイド」と、花の見どころをまとめた「有珠善光寺のツツジ」の記事をご覧ください。洞爺湖から伊達へ向かう道中は湖畔と海のドライブが気持ちよく、ルートづくりには「洞爺湖ドライブガイド」も参考になります。

洞爺湖からのアクセスと日帰りモデルコース

北黄金貝塚公園の復元竪穴住居
北黄金貝塚公園の復元竪穴住居(写真: Indiana jo / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

かものやのある洞爺湖温泉エリアから伊達市街(だて歴史の杜)までは、国道を海側へ下って車でおよそ30分。世界遺産の北黄金貝塚はそこからさらに東寄りにあり、車でおよそ40分が目安です。公共交通よりも車での移動が便利なエリアなので、レンタカーや宿からのドライブでの訪問がおすすめです。※所要時間は道路状況により変わります。出発前にカーナビや地図アプリでご確認ください。

半日〜1日で回るなら、こんなモデルコースが快適です。

北黄金貝塚が冬季閉鎖となる12〜3月は、だて歴史文化ミュージアム(屋内)を中心に組み立てると、雪の少ない伊達で快適に歴史散策が楽しめます。

伊達観光の拠点は、キッチン付きの貸切宿で

伊達市は洞爺湖から日帰りで十分楽しめる距離。だからこそ、宿は温泉と自然に囲まれた洞爺湖に構え、伊達へは気軽に日帰りという組み立てが快適です。かものやの宿は全施設キッチン完備の一棟・一室貸切タイプ。朝はしっかり食べて出発し、日中は伊達で歴史めぐり、夜は宿の台所で地元食材の晩ごはん、というマイペースな旅ができます。施設ごとの特徴は施設一覧からご覧ください。

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よくある質問

Q. 北黄金貝塚の入場料はいくらですか?

入館料は無料です。開館時間は9:00〜17:00で、12月1日〜3月31日は冬季閉鎖となります。屋外の遺跡公園のため、雪解け後の春から秋が訪ねやすい時期です(※2026年7月時点。最新は公式サイトでご確認ください)。

Q. 洞爺湖から伊達市まではどのくらいかかりますか?

洞爺湖温泉エリアから伊達市街(だて歴史の杜)まで車でおよそ30分、北黄金貝塚まではおよそ40分が目安です。公共交通が限られるエリアなので、車での訪問が便利です。所要時間は道路状況で変わるため、出発前に地図アプリでご確認ください。

Q. 雨の日や冬でも楽しめますか?

だて歴史文化ミュージアムは屋内施設なので、天候を気にせず見学できます。北黄金貝塚公園は屋外のため、冬季(12〜3月)は閉鎖されます。冬に伊達を訪ねる場合は、ミュージアムと道の駅を中心に回るのがおすすめです。伊達は北海道でも雪が少ない「北の湘南」なので、冬のおでかけ先としても過ごしやすいエリアです。

Q. 子ども連れでも楽しめますか?

はい。北黄金貝塚公園は広い屋外で復元住居を見ながらのびのび歩け、ミュージアムでは多言語ガイドアプリや体験展示も楽しめます。かものやの宿は全施設キッチン付きの貸切タイプなので、小さなお子様連れでも周りに気兼ねなく、宿での食事やお昼寝がしやすいと好評です。