こんにちは。北海道・洞爺湖で一棟貸しの宿を営む「かものや」です。洞爺湖に泊まると、湖と温泉、火山の景色を思い浮かべる方が多いと思います。けれど峠を海側へ少し下りれば、そこには内浦湾(噴火湾)に面した静かな海辺が広がっています。観光地らしい賑わいはなく、岬に立って夕日を眺めたり、遠浅の浜辺を歩いたりと、のんびり過ごすのにちょうどいいエリアです。この記事では、地元で宿を営む私たちの視点で、伊達市有珠地区の「海辺さんぽ」を半日プランとしてご案内します。

有珠の海辺とは|洞爺湖のすぐ隣、噴火湾の静かな海岸

有珠(うす)は、洞爺湖の南、内浦湾に面した伊達市の海沿い地区です。有珠山のふもとから海へ向かって集落が広がり、漁港と畑、そして古い寺のあるおだやかな土地。洞爺湖温泉のあるエリアが山あいの景色を見せるのに対し、有珠まで下りると空が一気に開けて、目の前に大きな海が現れます。

このあたりの海は波がおだやかで遠浅なのが特徴で、夏は海水浴、それ以外の季節は散歩や夕日鑑賞の場所として地元の人に親しまれています。派手な見どころを詰め込むより、海辺をゆっくり歩いて静けさを味わうのが、有珠の海のいちばんの楽しみ方です。洞爺湖の宿からなら半日で往復できる距離なので、滞在中の「もう一つの景色」として気軽に足をのばせます。

アルトリ岬|噴火湾に沈む夕日の名所

内浦湾に突き出すアルトリ岬キャンプ場
アルトリ岬キャンプ場(写真: S30改 / CC BY 3.0 / Wikimedia Commons)

有珠の海辺で、まず訪ねたいのがアルトリ岬です。内浦湾に細長く突き出した岬で、その先端一帯がアルトリ岬キャンプ場として整備されています。天気のよい日には有珠山や昆布岳、遠く羊蹄山まで見渡せ、なかでも海の向こうに夕日が沈んでいく眺めは「落日の絶景」として知られる、この岬いちばんの見どころです。

キャンプ場といっても堅苦しさはなく、岬の展望台や中央広場まで車で乗り入れて気軽に立ち寄れるのがうれしいところ。散歩がてら岬の先まで歩けば、三方を海に囲まれた開放感を味わえます。設備は素朴ですが、テントサイト・駐車場・トイレ・炊事場がそろい、利用は無料。夕方に合わせて訪れ、岬の突端で日が沈むのを待つ――それだけで十分に贅沢な時間になります。

岬という地形柄、風が強い日が少なくありません。夕方は冷え込むこともあるので、一枚羽織るものを持って出かけると安心です。※2026年7月時点。開設期間は変わる場合があるため、最新は伊達市・だて観光協会の公式情報でご確認ください。

有珠海水浴場|遠浅で波のおだやかな夏の浜

アルトリ岬の付け根に広がる浅い海岸が、夏になると有珠海水浴場として開設されます。波がおだやかで遠浅のため、小さなお子様連れの家族にも人気の浜です。近年は夏季限定で、海上に浮かぶ大型アスレチック「USUマリンアスレチック アトゥイ」(ジャンプ台やすべり台などのアトラクション)も登場し、家族連れでにぎわいます。

開設期間は年によって前後します。参考として2025年は7月19日〜8月31日に開設されました。夏に海水浴を目的に訪ねる場合は、事前に開設状況を確認してからお出かけください。※開設期間・遊泳可否は年度や天候で変わります。最新はだて観光協会、または現地ビーチハウス(0142-38-3800/開設期間中)でご確認ください。

なお浜には一部岩場があり、素足だとケガのおそれがあります。マリンシューズやサンダルを用意すると安心です。海水浴シーズン以外は静かな砂浜に戻るので、散歩や夕日鑑賞にはむしろ人の少ないオフシーズンもおすすめです。

有珠善光寺自然公園|海辺とあわせて訪ねたい「花の寺」

有珠善光寺の山門と桜

海辺さんぽとあわせて立ち寄りたいのが、有珠地区にある有珠善光寺と、隣接する善光寺自然公園です。1100年以上の歴史を伝える古刹で、春の桜、初夏のツツジと、季節ごとに花が咲き継ぐことから「花の寺」とも呼ばれています。海の帰り道に静かな境内を歩けば、有珠という土地の奥行きが感じられます。

お寺と花の見どころ、参拝の作法については別記事にくわしくまとめています。桜の季節は「有珠善光寺 参拝ガイド」、ツツジの季節は「有珠善光寺のツツジ」をあわせてご覧ください。JR有珠駅(室蘭本線の無人駅)からは徒歩約20〜25分で、鉄道での小さな旅にも向いています。

道の駅あぷた・有珠駅|海辺さんぽの立ち寄りスポット

内浦湾を望む道の駅あぷた
道の駅あぷた(写真: Him56 / CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons)

洞爺湖から有珠の海辺へ向かう道中にあるのが、内浦湾を望む道の駅あぷた(洞爺湖町)です。すぐそばの虻田漁港で水揚げされた海の幸が自慢で、ウニ丼やホタテを使った料理・テイクアウトが味わえます。地元の農水産物やその加工品も並ぶので、宿での自炊用に買い込むのにも便利。高台から海を見晴らすロケーションで、ドライブの休憩にぴったりです。

※2026年7月時点。営業時間・定休日・メニューは時期により変わるため、最新は道の駅あぷた公式サイトでご確認ください。洞爺湖エリアの食材や自炊の楽しみについては「洞爺湖グルメガイド」もあわせてどうぞ。

車を使わない旅なら、JR室蘭本線の有珠駅が海辺さんぽの玄関口になります。無人駅ならではの静かな雰囲気で、駅から善光寺方面へ歩くだけでも、のどかな有珠の空気が楽しめます。海沿いのルートづくりには「洞爺湖ドライブガイド」も参考になります。

半日で回る「有珠 海辺さんぽ」モデルプラン

洞爺湖の宿を拠点に、午後から夕方にかけての半日で無理なく回れます。

アルトリ岬が閉鎖される冬季(11〜4月中旬)は、海沿いの散歩と善光寺自然公園、道の駅あぷたを中心に組み立てると、雪の少ない有珠の海辺を快適に楽しめます。火山と大地の成り立ちに興味がある方は、有珠山エリアの「2000年噴火の火口散策路」とあわせると、海と火山の両方を体感できる一日になります。

海辺さんぽの拠点は、キッチン付きの貸切宿で

有珠の海辺は、洞爺湖から半日で往復できる距離。だからこそ、宿は温泉と自然に囲まれた洞爺湖に構え、海へは気軽に日帰りという組み立てが快適です。かものやの宿は全施設キッチン完備の一棟・一室貸切タイプ。他のお客様と顔を合わせないので、夕日を眺めて遅めに宿へ戻っても、自分たちのペースで食事や入浴が楽しめます。

そのほかの施設は施設一覧からご覧いただけます。

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よくある質問

Q. アルトリ岬は夕日の名所と聞きましたが、いつでも入れますか?

アルトリ岬キャンプ場として例年4月下旬〜10月31日に開設され、この期間は無料で立ち寄れます。噴火湾に沈む夕日が美しく、車で展望台付近まで入れるので夕方の散策に向いています。冬季(11〜4月中旬)は閉鎖されるほか、岬は風が強いため防寒・防風の備えがあると安心です(※2026年7月時点。最新は伊達市・だて観光協会の公式情報でご確認ください)。

Q. 有珠海水浴場はいつ泳げますか?小さな子ども連れでも大丈夫ですか?

波がおだやかで遠浅の浜のため、小さなお子様連れの家族にも人気です。開設期間は年によって前後し、2025年は7月19日〜8月31日でした。夏季限定で海上アスレチック「アトゥイ」も登場します。一部に岩場があるためマリンシューズやサンダルの用意がおすすめです。開設状況は事前にだて観光協会や現地ビーチハウス(0142-38-3800)でご確認ください。

Q. 洞爺湖の宿から車がなくても行けますか?

JR室蘭本線の有珠駅(無人駅)が海辺さんぽの玄関口になり、駅から有珠善光寺までは徒歩約20〜25分です。ただし有珠地区は公共交通の本数が限られるため、アルトリ岬や道の駅あぷたまで足をのばすならレンタカーや宿からのドライブが便利です。所要時間は道路・運行状況で変わるので、出発前に地図アプリや時刻表でご確認ください。

Q. 半日あれば洞爺湖から往復できますか?

はい。有珠の海辺は洞爺湖温泉エリアから車でおよそ25〜30分(有珠善光寺までは車で約20分)で、午後〜夕方の半日で無理なく往復できます。道の駅あぷたでのランチ、善光寺自然公園の花、有珠の浜歩き、アルトリ岬の夕日という流れが定番です。かものやの宿はすべて一棟・一室貸切なので、時間に縛られない滞在ができます。