こんにちは。北海道・洞爺湖で一棟貸しの宿を営む「かものや」です。洞爺湖に泊まると、湖のまわりだけで予定がいっぱいになりがちですが、少し足をのばすと出会える「隣町」も、実はとても魅力的です。この記事では、洞爺湖のすぐ西どなり、噴火湾に面した豊浦町(とようらちょう)を、地元で宿を営む私たちの目線でご案内します。「日本一の秘境駅」小幌駅、アイヌ語で”神のとりで”を意味するカムイチャシ史跡公園、穏やかな海の豊浦海浜公園、そして豊浦いちご・噴火湾ホタテ・とようらSPF豚といった味覚まで。洞爺湖のかものやからは車でおよそ30〜40分、気軽に行ける日帰り圏です。

豊浦町ってどんな町?|洞爺湖の隣、噴火湾に面したいちごとホタテの町

噴火湾に面した豊浦町の街並み
噴火湾(内浦湾)と豊浦の街並み(写真: 663highland / CC BY 2.5 / Wikimedia Commons)

豊浦町は、洞爺湖町の西どなりに位置する、噴火湾(内浦湾)に面した海と山の町です。人口はおよそ3,500人ほどの小さな町ですが、80年以上の歴史をもつブランド「豊浦いちご」や、栄養豊富な噴火湾で育つホタテ、そして健康な環境で育てられるとようらSPF豚と、食の宝庫として知られています。毎年初夏には、この2つの名産を一度に味わえる「とようらいちご豚肉まつり」も開かれます。

観光地としては、洞爺湖温泉のような大きな温泉街があるわけではありません。だからこそ、混雑を離れてのんびり過ごしたい方、鉄道や自然、地元の食材が好きな方にはぴったりの”通好み”のエリアです。洞爺湖に連泊するなら、1日はこの豊浦町へ足をのばす日帰りプランがおすすめ。湖畔をドライブしながら向かえば、それ自体が旅の楽しみになります(洞爺湖ドライブガイドもあわせてどうぞ)。

日本一の秘境駅「小幌駅」|列車でしか行けない特別な場所

2つのトンネルにはさまれた小幌駅
2つのトンネルにはさまれた秘境駅・小幌駅(写真: Rory trains / CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

豊浦町を語るうえで外せないのが、「日本一の秘境駅」として全国の鉄道ファンに知られる小幌駅(こぼろえき)です。JR室蘭本線の駅ですが、2つのトンネルにはさまれた、わずか80mほどの限られた空間にひっそりとたたずんでいます。

車でも徒歩でも行けない|アクセスは列車のみ

小幌駅のいちばんの特徴は、駅につながる道路がないことです。車で乗りつけることも、近くの道から歩いて向かうこともできません。訪れる手段は列車だけ。1日に停車する列車はごくわずか(およそ8本ほど)で、しかも観光しやすいお昼の時間帯には列車がない、という点にも注意が必要です。

手軽なのは、豊浦駅から長万部方面行きの普通列車で小幌駅へ向かい、駅周辺を散策したあと、東室蘭方面行きの列車で戻る行程です。本数が非常に少ないため、行き当たりばったりは禁物。必ず「帰りの列車の時刻」を事前に確認してからお出かけください。散策に夢中になって帰りの1本を逃すと、次の列車まで長時間待つことになります。最新の時刻はJR北海道の公式サイトなどで必ずご確認ください。

見学の注意点|険しい遊歩道と冬季

駅の周辺には海岸や遊歩道がありますが、登山道のように険しく滑りやすい箇所もあります。歩きやすく滑りにくい靴で訪れてください。また、冬季は積雪で道がふさがれ、通常の装備では歩けなくなります。雪の季節に周辺を散策するのはおすすめできません(スノーシューなどの装備と経験が必要になります)。ホームでの列車待ちも含め、防寒・安全対策は万全に。

なお、小幌駅を訪れた記念として、「秘境到達証明書」が発行されています。駅名標を背景にご本人が写った写真が必要で、「道の駅とようら」や「天然豊浦温泉しおさい」などで受け取れます(発行場所・条件は変わる場合があるため、事前に観光協会でご確認ください)。

カムイチャシ史跡公園|アイヌ語”神のとりで”と噴火湾の大パノラマ

カムイチャシ史跡公園は、豊浦町礼文華(れぶんげ)にある、歴史と絶景を一度に楽しめるスポットです。「カムイチャシ」とはアイヌ語で「神のとりで(神の砦)」を意味し、その名の通り、かつてアイヌの人々が築いた「チャシ(砦)」の跡地を整備した公園です。見晴らしのよい高台の地形を活かし、見張りや防衛の拠点として使われていたと考えられています。国の名勝「ピリカノカ」にも指定されています。

公園のハイライトは、135段の階段を登った先にある展望台(東屋)です。ここからは、大きくくっきりと広がる噴火湾をはじめ、眼下を走る室蘭本線や、豊浦の海岸線を一望できます。木製の遊歩道が整備されているので、歴史散策と眺望の両方をゆっくり味わえます。かつての砦の名残である壕(長さ16m・幅5m・深さ3m)も見どころのひとつです。

公園には駐車場があり、通年で開園していますが、冬期間は駐車場が閉鎖されます。また階段や遊歩道は雨や雪で滑りやすくなるため、滑りにくい靴でお出かけください。※開園状況・駐車場の利用可否は季節により変わります。最新情報は豊浦町・観光協会の公式サイトでご確認ください。

豊浦海浜公園|堤防に囲まれた穏やかな海でキャンプ&海水浴

豊浦海浜公園の浜と防波堤・噴火湾(Googleストリートビュー)
豊浦海浜公園の浜と防波堤・噴火湾(画像: Googleストリートビュー)

海遊びを楽しみたいなら、豊浦海浜公園へ。ここは海を堤防で囲うことで波を穏やかにした、めずらしいタイプの海浜公園です。小さなお子様連れでも遊ばせやすく、防波堤では釣りやカニ釣りを楽しむ人の姿も見られます。キャンプサイトは砂浜ではなく芝生なので、テントの下が砂だらけになりにくいのもうれしいポイントです。

キャンプ場の営業期間は例年おおむね4月下旬〜9月下旬、海水浴(遊泳)期間は例年7月中旬〜8月下旬ごろが目安です。近年はオンライン予約サイト「なっぷ」での事前予約・事前決済が必要になっています。※営業・遊泳期間や予約方法は年によって変わります。おでかけ前に必ず豊浦町・観光協会の公式サイトで最新情報をご確認ください(2026年7月時点の情報です)。

また、豊浦の初夏の風物詩といえば「とようらいちご豚肉まつり」。豊浦いちごととようらSPF豚という町の2大名産を味わえる人気イベントで、開催時期には多くの人でにぎわいます(開催日は年により異なります)。

豊浦の味覚|いちご・ホタテ・SPF豚、そして温泉

豊浦いちご

豊浦いちごは、80年以上の歴史をもち「豊浦いちご」として商標登録された、北海道でもっとも伝統あるブランドいちごのひとつです。しっかりした果肉で甘味と酸味のバランスがよい「けんたろう」、甘さが強く傷みが早いため町外にはほとんど出回らない「宝交早生(ほうこうわせ)」など、この土地ならではの品種が味わえます。

いちご狩りは町内の「ベリーファームとようら」で例年6月中旬ごろから楽しめますが、2026年は園内整備のため休園とのことです(公式サイトにて告知)。いちご狩りの再開時期や、直売所・イベントでの購入については、豊浦町や観光協会の最新情報をご確認ください。※実施時期・料金・営業状況は年により変わります。

噴火湾ホタテととようらSPF豚

栄養豊富な噴火湾で育つホタテは、豊浦を代表する海の幸。観光協会では通年で楽しめる「ホタテ釣り体験」なども用意されています。もうひとつの名物がとようらSPF豚。SPFとは「特定の病原体をもたない(Specific Pathogen Free)」健康な豚のことで、臭みが少なく、やわらかい肉質が特長です。町内の飲食店で味わえます。

天然豊浦温泉しおさい

秘境駅や海遊びで過ごしたあとは、天然豊浦温泉しおさいでひとやすみ。毎分500Lという豊富な湯量の源泉かけ流しで、和・洋あわせて多彩な浴場を楽しめます。日帰り入浴にも対応し、宿泊もできる施設です。日帰りの営業時間・料金は日によって変わることがあるため、お出かけ前に公式の案内でご確認ください。洞爺湖エリアの日帰り温泉全般は洞爺湖 日帰り温泉ガイドもどうぞ。

洞爺湖から豊浦へ|日帰りモデルプラン

春の洞爺湖と羊蹄山

洞爺湖のかものやを拠点にした、豊浦町の1日日帰りプラン例です。

豊浦の食材を買って帰り、宿のキッチンで「わが家の晩ごはん」にするのもおすすめです。洞爺湖エリアの食材・グルメ情報は洞爺湖グルメガイドにまとめています。車をお持ちでない方はJR洞爺駅からのバス・アクセスもご参照ください(豊浦方面へはJRの利用が中心になります)。

豊浦・洞爺湖観光の拠点は、キッチン付きの貸切宿で

洞爺湖の湖畔に泊まって、日中は豊浦町まで足をのばす——そんな”欲張りな旅”にぴったりなのが、かものやの一棟貸し宿です。全施設キッチン付きの貸切タイプなので、豊浦で仕入れたいちごやホタテ、SPF豚を、他のお客様に気兼ねなく好きな時間に料理して味わえます。小さなお子様連れのご家族や、大人数のグループにもゆったりお過ごしいただけます。

そのほかの施設は施設一覧をご覧ください。

公式サイトからの直接予約なら、仲介手数料のかからないいちばんお得な公式料金です(公式サイト最安値保証)。日程が決まったら、まずは空室検索でご確認ください。

よくある質問

Q. 洞爺湖から豊浦町までどのくらいかかりますか?

A. 洞爺湖温泉のかものやから豊浦町の中心部まで、車でおよそ30〜40分の隣町です。日帰りで十分に楽しめる距離ですが、ルートや季節により所要時間は変わります。

Q. 小幌駅は車で行けますか?

A. いいえ。小幌駅は駅につながる道路がなく、車でも徒歩でも行けません。列車でのみアクセスできます。停車する列車が1日ごくわずかなので、必ず行きと帰りの時刻を確認してからお出かけください。冬季は積雪のため周辺散策はおすすめできません。

Q. 豊浦でいちご狩りはできますか?

A. 例年はで5月中旬ごろからいちご狩りが楽しめます。最新の実施状況は豊浦町・観光協会の公式サイトでご確認ください。直売所やイベントでの購入は時期により可能です。

Q. 豊浦海浜公園で海水浴はいつできますか?

A. 遊泳期間は例年7月中旬〜8月下旬ごろが目安です。キャンプ場は例年4月下旬〜9月下旬の営業で、近年はオンライン予約(なっぷ)が必要です。期間・予約方法は年により変わるため、事前に公式サイトでご確認ください。